クレヨン社
かぎとりぼんのはなし
紫陽花の花のいろに暮れかかる公園は
友達の声も消えて風だけがそばにいたポケットの中の鍵を確かめて
かけ出せば夜が追いかけてくる2つめの角をまがれば
まだ灯りがついてない
蒼い窓が見えてくる
−−私の帰る家−−冷たい鉄の鍵だから 赤いりぼんを結んでた
大事なものを守る鍵と いつの頃から知ったのだろう小さな手には少し重たい鍵で
誰もまだ 帰ってないドアを開ける柱時計が鐘を鳴らし
"おかえりなさい♪"と歌う
そしてテーブルの上には いつも
−−やさしいメモ−−冷たい鉄の鍵だから 赤いリボンを結んでた
大事なものを守る鍵と いつの頃から知ったのだろう時は流れて
大人になって・・・・・・・だけどひとつだけ変わらない
あたたかなドアを探して 今も鍵には
"赤いりぼん"